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プーチンはすでに負けている

 

 

 

 

 

写真:ウクライナカラーの漂着物 越前海岸

 

「小次郎破れたり!」というのは宮本武蔵の巌流島での決闘の一言です。後付けの脚色であると言われています。武蔵はそのような言葉で相手を怒らせて冷静さを失わせたのではないかという憶測に基づくものです。今、こんな言葉をアメリカなどの責任ある立場の人物がプーチン氏に向けて言ってはいけませんが、プーチン氏はこの戦争で勝利することはもう出来ないであろうことは見えていると思います。

長期的に見て、中国と組んだロシアがインドやブラジル(BRICs)などと共に経済的な繁栄を達成出来るかどうかはわかりません。いずれにせよ今後世界経済は二つのブロックに分断され、当面は世界恐慌や食料難をもたらすでしょう。世界中がこの戦争の敗者です。

しかし、プーチン氏が戦争の継続で自らの墓穴を掘っているように見えることは確かです。例えばグテーレス国連事務総長に会ってマリウポリでの戦闘は終わっていると言い、実際自ら戦闘停止を命じておきながらアゾフスタリ製鉄所からの一般人の避難に原則合意して避難が始まるとまた今日になってロシア国防省が戦闘開始を宣言しています。言い訳はいくらでも出来ます。戦闘員が一般人が避難する間に外に出て射撃体勢を整えたという理由だそうです。しかし、世界はそのような言い訳を認めることはないでしょう。一般人の避難したバス11台がロシア軍によって尋問所に誘導され公務員や地方政府関係者は選別され拷問されているというニュースが事実ならただでは済まないと思わされます。

ロシア国内の情報統制や締め付けにおいて一時的にプーチン氏は勝利しています。しかし世界における宣伝戦において、少なくとも欧米民主主義諸国においては特に完全に負けています。これはアメリカがベトナム戦争においてその作戦と戦争行為の非人道性、犯罪性において敗北したことと同様です。ウクライナ側にどんな情報操作や偽装があろうとも、それらをはるかに超えて残虐で無法な非人道的犯罪を厭わないと見えます。

NATO諸国はもうウクライナへの武器の供給を躊躇していません。アメリカは第二次世界大戦でドイツを敗北せしめたレンドリース法(武器貸与法)を超党派で通し、無制限にウクライナに武器を送り込む準備を終えました。武器の供給に伴うウクライナ兵の訓練の時間を考えても6月以降ウクライナの通常兵器はロシアの兵器に質量ともに匹敵するようになると思われます。

追い詰められるプーチン氏とロシア軍は生物化学兵器を使用するとしましょう。制裁の強化、NATOの参戦などをまねく可能性があります。そうなればロシアはじり貧であり、国内でプーチン氏は国民の支持を失うか、さまざまな支持基盤を失う可能性が高いです。戦術核兵器で戦局を打開するとしましょう。アメリカは通常兵器で対抗するか、それで足りなければ戦術核兵器でエスカレーションに乗って来るかも知れません。あえてアメリカを核戦争に誘い込むことでプーチン氏の得することは無いと思われます。NATOがウクライナに入って来ることを阻止するために始めたはずの侵攻がNATOとの核戦争になってしまうというのはプーチン氏の最大の自己矛盾になり、氏が理性を捨てずに出来ることではないと思われます。

この戦争でロシア軍は不利になると知らないのか残虐に恐怖を植え付けることでウクライナ人を支配したり降参させたりしようとしています。ソ連時代のスターリンと何ら変わらない発想と手段、全く前時代的なやり方で世界の怒りを買っています。これがプーチン氏の本性なのか、プーチン氏はおかしくなってしまったのか、いずれにせよプーチン氏はすでに負けているのです。

参考:ハラノタイムズさんの分析 

 

 アベマニュースネットワーク:ロシア軍アゾフスタリ製鉄所に攻撃再開