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イスラエルに大都市を更地にする権利はあるか?テロ組織ハマスを無力化するためにどこまでの暴力が許されるのか?イスラエルを擁護する立場から考えてみる④

 

 

タイトルに掲げた「大都市を更地にする権利」というのは婉曲に、その過程で多くの人が死傷するというのはどうなんだということです。ビルを壊すことが問題の中心ではないです。ハマスの保険当局が発表する戦闘員を含む(BBC報道によるとハマス当局は男性死者に戦闘員の死者を含めているとのこと)死傷者の統計は水増しされているにしても多すぎます。(昨年末のハマス発表で2万人を超える死者)女性と子供の比率も多めに発表されているでしょう。では半分だったらどうなんでしょうということです。(1月21日ハマス保健省当局発表ではガザ側死者は2万5千105人。イスラエル軍1月15日発表によるとハマス戦闘員1万人以上殺害ということなので仮に双方の数字を受け入れて計算すると女性と子供が1万5千人となる。)

 

結局、この戦争にも一方的正義はなく、ガザに同胞がいる、親族がいると思えばイスラエルを非難するでしょうし、イスラエルに友人がいる、今も砲撃にさらされる親族がいる、まだ解放されない人質がいると思えばハマスの排除(無力化)は必要だ、とイスラエルを擁護することになるでしょう。もう権利うんぬんの問題ではなくイスラエルとハマス、どちらが生き残るかという問題かも知れません。そのための大きすぎる犠牲がなんとかならないか!

 イスラエルは通常、軍事目標を破壊する時に建物があれば何重もの予告を行い、避難勧告、避難指示、警告射撃のような空爆弾で屋根をノックして強制退去を迫るなど極力「人払い」をして攻撃するといいます。これで拠点や軍事インフラは破壊できます。それでも何かの手違いや誤差で巻き添えが起きるでしょう。さらに、テロリストを直接攻撃する場合には警告出来ませんからもっと「巻き添え」が発生します。

 また、報道ではイスラエルは目標を絞った、精密な攻撃をしていると言いつつ実際には爆撃に精密な誘導爆弾ばかりではなく狙って落とすだけの爆撃をしていたことを国防軍が認めたといいます。テロリストを狙い撃ちするのでなく軍事目標を破壊するだけなら通常爆弾を使わないと量が足りないという事情があると思われます。誤爆、巻き添えも十分あり得たでしょう。

 私達、日本人の多くは傍観者、第三者でしかありません。イスラエル・ハマス戦争を止めることは出来ませんが一日も早く戦火が止むために、また恒久的な平和の枠組みが出来るように祈り、考えてゆきたいと思います。

 祈るべきことは、まず人質が多数解放され、早期に全員が解放されることです。また、ハマスによるイスラエル攻撃、ヒズボラによる攻撃が停止することです。それにより先ず停戦がなることです。またそのためにアラブ諸国などの中で強力な仲介国が現れることです。その先に、私の意見では国際的な圧力により2国家解決を目指した、なかば強制的な平和プロセスがスタートすることです。イスラエルには安全保障を、ガザと西岸地区にはパレスチナ国家の繁栄を、双方に平和共存の利益を示すことで和平合意を成立させねばなりません。

 現在のネタニヤフ・極右連合政権ではこれは不可能でしょう。また現在のハマス幹部が残っていればこれは不可能だと思います。パレスチナとイスラエルの双方に和平を求める機運とリーダーの起こされることを祈っていきたいと思います。