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ブースター接種(3回目)のメリット対デメリットを考える:京都大学名誉教授川村考先生の「論考」をもとに

 

圧倒的大多数の人はワクチンを打っても打たなくても同じ、ただし非常に多くの人がワクチンを打てばそれによって発症を防いだり重症化ないしは死亡を防いだりできる場合もある。その割合は1パーセントから数パーセントである。

 

ワクチンを防具に例えればヘルメットや心臓を覆う防弾たすきのようなものではないでしょうか。戦場に赴く兵士はヘルメットをかぶり防弾チョッキを着たりもしますがそれで弾に当たっても死なない訳ではありません。ケガをしたり死んだりする確率を下げてくれる訳です。ではワクチンはどれだけその確率を下げてくれるものでしょうか?以下は読売新聞オンラインの約1年前の記事よりの引用です。

コロナワクチン「有効性」95%って、どういう意味?

2020/12/08 10:00

編集委員 山口博弥

 感染拡大が全国で勢いを増している新型コロナウイルス。私たちの多くは、3密を避け、寒いのに部屋を換気し、マスクを着け、頻繁な手洗いに努めているはずなのに、一向に感染拡大が収まりません。こうなると、国民の期待が高まるのは「有効なワクチンの開発」です。もちろん、日本に限らず世界中の人たちが、1日も早い接種を待ち望んでいることでしょう。

 そんな中、米国で相次いでワクチン開発の朗報が発表されました。米製薬大手ファイザーは11月20日、米バイオ企業モデルナは同月30日、それぞれ緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請したのです。英政府は今月2日、先進国では初めてファイザーのワクチンを承認しました。臨床試験の中間結果では、ファイザーのワクチンの予防効果(有効性)は95%、モデルナのそれは94.1%だったといいます。

 さて、この95%や94.1%という数字は、どうやって算出した数字なのでしょうか。

 「100人がファイザーのワクチンを接種したら、95人には効いたけど、5人には効かなかった」。こう受け取った人がいるかもしれません。でも、病気の治療薬ならともかく、発症するかどうか分からない健康な人が接種するワクチンの「効く」「効かない」を、こうした方法で判断することはできませんよね。

 ここから先は少し頭の体操になりますが、数字や算数・数学が苦手な方にも文系出身の私が(たぶん)分かりやすく解説しますので、しばらくお付き合いください。

コロナ発症はワクチン群8人、非ワクチン群162人

 ファイザー社がきちんとした論文を公開していないので詳細は不明ですが、読売新聞の記事によると、臨床試験に参加したのは約4万3500人。参加者のほぼ半数にワクチン、残りに偽薬(プラセボ)を注射し、新型コロナウイルス感染症を発症したかどうかを1か月追跡しました。その結果、発症者は偽薬のグループ162人に対し、ワクチンのグループでは8人でした。

 ワクチングループの発症者数は、偽薬グループの約20分の1(162÷8=20.25)にとどまったことになります。分かりやすくするために、この20対1をそれぞれ5倍すると、100対5。つまり、何もしなければ100人発症するところを、5人の発症に抑えられた。別の言い方をすると、100-5=95人の発症を予防した。これが、予防効果95%の意味するところです。

99%の人は、ワクチンを打とうが打つまいが変わりなし

 ファイザーの臨床試験の数字の意味を、違う角度から考えてみましょう。

 これについては、京都大学名誉教授の川村孝さんが書いた「論考」(12月1日付)で触れており、ノーベル賞受賞者の山中伸弥教授のサイトで見ることができますが、私がここで改めて紹介したいと思います。

 何もしないと162人が発症するところを、ワクチンを打つと発症者は8人にとどまった。ということは、ワクチン接種のおかげで162-8=154人の発症を防いだわけです。計算しやすいように、ワクチンと偽薬をそれぞれ2万人に注射したとすると、154÷20000=0.0077、つまりワクチンを打った人のうち、約0.8%の人がワクチンの恩恵を受けたことになります。残りの99.2%の人は、ワクチンを打とうが打つまいが、発症しない人はしないし(こちらが大部分)、発症する人はするのです。

 こう書くと、「なんだ、じゃあ、ワクチンを打っても意味ないじゃん」と思う方がいるかもしれません。でも、決してそんなことはないのです。

 仮に世界の1億人がこのワクチンを接種したとすると、80万(100000000×0.008=800000)もの人が発症しなくて済む。1000万人の接種なら8万人、100万人の接種なら8000人です。病気の人を治す治療薬とは違い、たしかに効率は悪いかもしれません。でも、接種をしっかり実施することによって感染拡大を抑え、やがて感染症を制圧することができる。ワクチンとは、予防医療とは、そんなものなのです。…

次に川村教授の「論考」(2020年12月1日付)より引用します。

 …研究方法は論文刊行後に吟味するとして、公表された数字を使って現実の有用性を計算してみる。プラセボ群2万人に接種して162人、実薬群2万人に接種して8人が発症したので、発症者は20分の1になる(これが有効率95%の根拠)。しかし現実的な見方をすると、2万人に接種して162人が感染するところが8名になり、154名の感染が防げることになるので、ワクチンを打って恩恵を受けた人の割合は0.8%となる」。残りの99.2%の接種者は、接種を受けても受けなくても運命は変わらない。 ここでもし重い副作用が接種者の1%にでも出たら、有効性は吹き飛んでしまう。すなわち、罹患率が低い病態に対するワクチンはほとんど副作用が生じないことが必要条件になる。副作用が“ある”ことは証明しやすいが、“ない”ことの証明はなかなか難しく(不在証明と同じ)、ワクチンがかなり普及してからでないと判明しない。欧米や南アジアのように切羽詰まった状況にある地域ではワクチンのメリットが出やすいので、これらの地域での状況をじっくり見極めてから日本人が打つべきかどうかを判断したい。 …

この計算を具体的に一例として福井県と日本全体に当てはめてみます。

感染者数の概要

提供元: Our World in DataJHU CSSE COVID-19 Data · 最終更新: 2 日前(1月18日)

福井県

感染者の合計数

3,717

死亡者数

38

 

日本

感染者の合計数

193万

1,930,000

死亡者数

18,443

 福井県人口約76万人が仮に100%ワクチン接種したとします。76万×0.8%=6080人が感染を防げることになります。死亡者は感染者のさらに約1パーセント(死亡率1%)ですので60人程度の死亡を防げることとなります。新型コロナが日本に来て約2年弱のあいだに福井県では人口の約0.5%のそのまた1%の人が死亡しています。約2万人に一人の死亡です。福井県の全人口がワクチンを打つことで60人が死なずにすむなら割合としては約1万人に一人が死なないで済むのです。

 次にワクチンの副作用による死亡率を考えると一万分の一なら76人が死亡ですからワクチンの意味はないことになります。76万人がまだ病気でもないのに全員ワクチン接種というリスクを冒すのですからこれから長い一生の間にワクチン接種によって死亡する、すなわち寿命が縮むという可能性はあります。ブースター接種を行えばその回数分だけリスクも増える、つまり単純計算で9回のブースター接種後に最初の完全接種(2回接種)の10倍のリスクも十分想定可能です。実はブースター接種は回数が増えるほど動物実験では急激に死亡率が高まっていてそれが人間で起こらないとはまだ誰も言えないのです。(また、その確率を計算する方法もありません。)仮に4か月に一回ブースター接種をしてしまうと年3回、3年で9回のブースター接種を受けてしまうことになります。これで長期にわたる副作用の結果何パーセント人が死ぬか不明です。なぜならこれは世界のコロナワクチン接種人口によって現在人体実験が進行中だからです。

 さてこれが私の理解する「ブースター接種を繰り返すことを続けられない理由」なのですがEUワクチン戦略のトップであるマルコ・カバレリ氏の見解も近いものなのか、いくらか違うのかどうなのでしょうか。カバレリ氏はさらに短期間に(3~4か月あるいは半年など)ブースター接種を繰り返すことは人の免疫システムに過剰な負担をかけると発言しています。動物実験でも死亡率が高まる理由は免疫力の低下または異常だと思われます。人でもやはり生来の免疫システムを棄損したり壊したり、弱めたりすると考えられます。これはまだ日本の有識者はあまり強調していないかと思います。東京理科大学の村上教授などが発言していますが。

 Bonafidrというネットニュース媒体の報じるジョンソン&ジョンソン社社員の証言でも子供にワクチンを接種すべきではない。その理由はワクチンには未知の副作用があるから、と語っています。我々はワクチン接種の長期的副作用を経験していないのです。ところがファイザー、モデルナ、ジョンソン&ジョンソンなどのワクチンを子供に接種させようとする学者や経営者はまだ経験していないことは無いものとして安全であると証明されていないワクチンを世界中の子供にも売り込もうとしています。それを無批判に受け入れているのが日本の政治家とマスコミです。批判的な思考力がないと言うか、もはや愚かでしかないと思います。