現在進行中のキーフ攻防戦、また大きな市民の犠牲が出ているマリウポリ包囲戦など、ウクライナの対ロシア自衛戦争を単純に日露戦争と比べることは出来ません。一世紀以上の時を隔てて現代国家と都市におけるサイバー・電子・ネット戦争は日露戦争当時の(飛行機も戦車もなかった)大砲と銃と歩騎兵、そして艦隊の戦争と全く様相を異にします。
しかし、百年以上前の「皇国の興廃この一戦にあり」と言われた日本ナショナリズムの自衛戦争と現代ウクライナのナショナリズム自衛戦争にいくらかの共通点を見ることも出来ます。軍事力の圧倒的格差、不条理なロシアの侵略に立ち向かった極東の新興国日本は多大な犠牲を払って奇跡的に大国ロシアに辛勝します。そこにはモチベーションの差、自国の存亡をけて背水の陣を敷いて戦う志願者の軍とトップの命令で何のためかわからずに戦う厭戦兵士の軍との違いがありました。
現代のウクライナ軍も軍事力が圧倒的なロシア軍に対してやっと約30年前に独立した祖国の運命、自由の未来をかけて戦っています。昔日本がイギリスから購入した最新式の戦艦三笠で戦ったようにウクライナも英米の情報戦支援、サイバー戦争支援、新鋭の武器支援などで善戦しています。もはやロシアの勝利は不可能ではないかという観測が次々現れ始めています。
ゼレンスキー大統領が昨日オンライン国会演説をしましたが、日本人はウクライナの自衛戦争が他人事ではなく、中国が台湾侵攻したら尖閣・沖縄・本土を舞台に日米が戦う戦争と深く繋がって来るものだと覚悟して取り組まねばなりません。日本列島弧がここにある限り、この自由のための戦争は抑止出来ても回避出来ないことを我々は知る必要があります。
橋本弁護士が言われるであろうように「それとこれとはまた別の話」ではありません。日露戦争について朝鮮半島に触手を伸ばすロシアを放っておいて日本人は攻撃されたら逃げればよいと言っていたら今の自由な日本はなかったと考えられます。ウクライナの未来はウクライナ人が決めます。逃げて生きることも死を賭して戦うことも彼らの選択です。それを可能な限り日本の立場で支援することは日本の運命に関わって来ます。
以下時事.comより:
ウクライナ征服「不可能」 住民は命捨てる覚悟―キエフ在住NGO代表
2022年02月26日05時25分
国際NGO連合代表としてウクライナの首都キエフで活動するアンドレ・カメンシコフ氏(本人提供)
ロシア軍が侵攻したウクライナの首都キエフで、国際NGO連合代表として紛争予防と平和構築活動に取り組むアンドレ・カメンシコフ氏(54)が25日、時事通信の電話取材に応じた。住民は「大義のために命を捨てる覚悟」があるとし、武力による征服は不可能だと語った。主なやりとりは次の通り。
―キエフの状況は。
私は南郊に住んでおり、比較的静かだ。北西の方で戦闘が起きていると聞いたが、戦闘機が見えたり、爆撃音が聞こえたりということはない。(心配で)眠れないが、あまり出歩かず、家に居るようにしている。食料も数週間分備蓄してある。
―これから何が起きるか。
希望的観測では、ウクライナ軍ができるだけ(戦線維持で)踏ん張れば、プーチン大統領の侵略戦争は計画通りに進まなくなる。私自身は何度も出国を助言されたが、個人的にここにいる決断をした。(そうすることで)人々に精神面での支援を提供したい。
―プーチン氏は何がしたいのか。
ロシア指導部は(侵攻で)重大な軍事的勝利を果たし、それを通じてより強力なロシアの「仲間」を作れると信じている。軍事目的を達成した後で(西側と)交渉し、ある程度の譲歩を示して制裁を緩めさせる。そのようにして状況を自分たちに好ましい形で固定化するのがロシアの狙いだ。
―戦争の行方は。
長期的に見れば、この戦争でロシアは負ける。軍事対立の行方を左右する主な要素は、経済・軍事力や人口ではなく、心理的なものだ。国民が自分たちの大義のために命を捨てる覚悟があるのなら、それは巨大な利点だ。ウクライナは軍事的には不利だが、人々は国を守るために抵抗している。ロシア軍が首都や軍事拠点を制圧したとしても、国を完全に征服することはできない。
―国際社会ができることは。
ロシアの人々は物価が急上昇するなど、既に痛みを感じており、制裁強化で打撃を与えられるのは確かだ。ただ制裁は長期的には効果があるが、短期的には効果を望めない。(制裁以外にできるのは)各国指導者が直接ロシア国民に向けて、「あなた方は敵ではない。犯罪的な戦争をしているのはあなたの政府だ」とメッセージを発すること。それにより人々の目が政権へと向き、プーチン氏に対する(国内的な)圧力となり得る。
以下は「闇のクマさん」の発見したライトノベル作家の集めたウクライナ情勢
undefined